【動画元年2014】その4)テレビ番組はシェアできない。それは今や不利なことだ!
【動画元年2014】その4)テレビ番組はシェアできない。それは今や不利なことだ!
InterBEE で行われたパネルディスカッションをネタに延々書いています。しつこいですね、すみません。それくらい濃い内容だったのだと前向きに受け止めてもらえれば幸いです。
で、これもしつこいんですが、また日本テレビ・太田さんのスライドを使ってしまいます。前回はこの上の部分について解説しましたが、今回は下の部分についてです。上と下で二回に渡って書けちゃうんですから、このスライドがいかに濃いものを含んでいるか、というものです。
下の方は、こんなことが書いてあります。「日テレキャッチアップ」と題してその下に、「①見たい番組を再生」「②番組をシェアして再生」。番組をネットで配信することで、この二つの視聴ができるようになるということですね。
① の方はわかりやすいです。今週の「しゃべくり007」見逃しちゃった!でも一週間以内なら無料で見れるんだっけ。日テレのサイトで見よう!そんな風に、特定の番組を見逃しても配信で見ればいい。それによって広告収入が入るのでテレビ局にとってもいい。では②の方は?シェアってどういうこと?
私たちは、いまネット上のあらゆるコンテンツをシェアします。Facebookで、Twitterで、あるいはLINEで。お、この記事面白い、と思ったらシェアします。その投稿を見て「なになに?」とその記事を読む。そうやって次々にコンテンツを見ていく。激しくシェアされるとものすごくたくさんの人が読む。
これまで、テレビ番組ではシェアが起こりませんでした。番組がネット上になかったからです。もちろん有料課金でオンデマンドサービスの形でネット配信はされていました。でも有料だと・・・ちょっとシェアされにくいです。そして拡散しない。興味を持っても、入会を求められたり有料だとわかったりすると視聴されない。
無料でネット配信されている。それではじめてシェアの土壌に乗ることができる。可能性が出てくる。
そしてその番組にCMがくっついていれば、広告収入が得られます。設定にもよりますが、どんどんシェアされて拡散されるほど、広告収入も増えるわけです。すると、放送時の広告収入にボーナスがつくことになる。
こうした仕組みの中に、TVメタデータが活躍する可能性が出てきます。どうしてこのエム・データ社公式ブログ「メタラボ」で、何回にも分けて動画配信の話をしてきたかというと、そこなんです。動画配信にはメタデータが必要になりそうなんです。
シェアしてもらうためにも、番組を探しやすくする必要があります。探す番組がわかっていればいいですが、ネットでの話題はさまざまです。「なんか昨日テレビで、お笑い芸人○○○が、グラビアアイドル△△△に、□□□しちゃったらしい」なんて噂を聞きつけて検索する。そしたら該当する番組が出てくる。面白いのでシェアする。その時に、○○○が△△△に、とググったらパッと出てこなきゃいけない。
TVメタデータがあれば、それが可能になります。放送後の番組を無料配信のフレームに入れ込む際に、メタデータとひもづけておけばいいのです。
ようやくこのシリーズの企画意図が見えてきたところで、今回はこれにて。続きはまだまだ続きますよ。
関連記事
著者:境 治 (さかい・おさむ)
コピーライター/メディアコンサルタント
株式会社エム・データ顧問研究員
東京大学文学部卒。コピーライターとしてフリーランスで活動した後、
ロボット、ビデオプロモーションを経て、13年7月から再びフリーランス。
ブログ「クリエイティブビジネス論」はハフィントンポストなどに転載されている。