“TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(活用編その1)
こんにちは。株式会社エム・データの上田です。
前々回の「”TVメタデータ”って何のこと・・・(入門編)」
前回の「”TVメタデータ”の中身ってどうなっているの・・・(内容編)」
と2回に渡って、TVメタデータの中身についてお伝えしました。
(だいぶ間が空いてしまいました・・・スミマセン。)
というとで簡単におさらいすると、TVメタデータは、TVで放送された内容、「いつ」「どの局、どの番組で」「何が」「誰によって」「どのように」「どの位(時間)」放送されたのかを、エム・データ独自でサマライズしたテキストデータです。そして、それらは、「番組放送内容」「CM放送内容」「番組で紹介された商品について」「番組で紹介されたお店や施設について」の4区分でデータベース化しています。そして今回は、そのTVメタデータが実際に活用されているサービスをご紹介しつつ、単純なテキストデータがどのように皆さんの中に浸透しているかをお伝えできればと思います。
宜しくお願いします。
当たり前ですが、TVで放送される内容は多岐に渡ります。事件、事故、政治、社会のニュース、芸能・エンタメ・スポーツの話題、生活のネタ、流行りもののサービス・商品・お店、企業や新商品の情報などですが、いつ、どこで、どのように、必要とする情報が放送されているのかを掴まえるのは非常に困難です。前回、簡単にお伝えした活用事例は、それらを全てテキスト化している「TVメタデータ」を使い、それぞれのニーズに合わせて必要としているTVでの情報に到達できる、代表的で分かりやすいサービスでしたが、簡単ですが下記にまとめてみます。
1、TV番組の放送内容やCM内容をキーワード検索して放送の状況が確認できる。
(下記サービスでは、SNSやブログのクチコミ情報との相関分析が可能。)
- 株式会社ホットリンク「クチコミ係長」
- 株式会社プラスアルファ・コンサルティング「見える化エンジン」
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ「なずきのおと」 など
2、TV番組で紹介された商品、店舗、施設が見つけられ、購入や予約が可能。
ヤフー株式会社 Yahoo!テレビGガイド「お役立ち情報」 など
3、TV番組で紹介された店舗、施設が見つけられ、位置情報(地図)も分かる。
(ナビゲーションの機能もあり。)
- 株式会社ナビタイムジャパン NAVITIME「TVスポット検索」(※2020年現在はサービスを停止しております)
- インクリメント・ピー株式会社 MapFan「テレビでdeみ~た」 など (※2020年現在はサービスを停止しております)
4、TV番組で紹介された飲食店が見つけれら、予約やクーポンが取得できる。
- 株式会社ぐるなび 「ぐるなびテレビに出たお店」 など (※2020年現在はサービスを停止しております)
「TVメタデータ」のテキストデータそのままを使った情報発見、情報集計/分析をすることは(例えば広告代理店やPR会社、企業の広報/宣伝/PR/マーケティング部門、調査会社/総研/シンクタンク系会社などが、自社(クライアント)の商品/CM/サービス、他社のそれらについての発見、集計、分析)、エム・データ創業時からの主流の活用のされ方ですが、それと並んで、2008年からは、上記のような「BtoB」向けのWebツールサービス、「BtoC」向けのオープンサービスとしての活用が多くなってきました。また活用される業界業種も様々に増えていき、前段でも書きましたが、TVで放送される情報は業界業種問わず多岐に渡り、また影響力もあることから、TV情報を活用したい先は、当たり前の広がりとなってきています。(広告/宣伝、調査/マーケティングから情報サービス、流通/小売、メーカー・・・、また官公庁や政治の世界まで・・・)
その中でも「BtoC」の最たるもの、TV家電メーカーによる活用が2、3年前から本格化してきました。
5、録画したTV番組のどこで、どのような話題があったのかを検索して再生できる。
- 株式会社東芝 レグザクラウドサービス「TimeOn」
- 株式会社ソニー BDレコーダーサービス「もくじでジャンプ」
「TVメタデータ」はテレビで放送された内容と共に、どの局(どの番組)の、どの時間で放送されたかといった時間情報も持っているので、その時間情報をキーとして簡単に辿り着きたい話題を見ることができます。
このニーズは、能動的であり目的指向であったTV番組録画の時代から、全録のように自動で全番組録画ができる時代への変化と、インターネット普及と検索エンジンによる情報取得が一般化したことで、ユーザーが自身の嗜好に合う情報にいち早く、ストレスフリーでたどり着きたいという、情報への距離感と欲求指向の変化(共にテクノロジーの変化でもあります。)がもたらしたものといえます。この時代の変化(TVと情報への向き合い方の変化)は、勿論TV視聴スタイルにも大きく影響をしており、そのスタイルの体現化の一部分が、上記のような「(日本版)スマートTV」のひとつのサービスであるともいえるかと思います。
「TVメタデータ」はTVと共にあります。TVがなければ「TVメタデータ」は在り得ません。
そのTVの視聴スタイルが変化したことは、個々のライフスタイル、ライフサイクル、ライフステージの変化と影響関係にあることは大いにあり得ると思いますが(TV視聴が生活に影響を与えているというより、お互いが相関関係にあるという意味での影響関係)、TVの視聴スタイルの変化(⇔ライフスタイル、ライフサイクル、ライフステージの変化)は、「TVメタデータ」の活用側面にも変化や影響を与えています。
さて、次回も活用編は続きますが、次回は、
「”TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(活用編その2)」
と題して、TV視聴スタイルの変化を実は良く表している「スマートフォン」について、「TVメタデータ」の観点からお伝えできればと思います。
ありがとうございました。
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著者:上田 雅司
株式会社エム・データ
執行役
データマネジメント部 シニアマネージャー