【VODはキャズムを越えたか】その7)テレビ受像機もアクセス解析できるようになる?TVメタデータの可能性。

 

二週間お休みしてしまいましたが、まだしばらく、3月いっぱいはVODの話題を書きたいと思います。でも今回のお話はVODに限らない話ですが。

今日のお話は、推測です。今後、こういうことができるようになるはずだ、という内容。でもかなり近い未来には現実になりそうな話です。

前回の記事で、テレビメタがVODでは番組を検索する際に役立つ、ということを書きました。

【VODはキャズムを越えたか】その6)テレビ番組が検索されやすくなるために、メタデータが活躍する。

それ以上のこともできるようになるはずです。それはテレビ受像機のアクセス解析。WEBではユーザーの行動履歴が解析されています。このPCのこのブラウザーを使っている人は、どのサイトにどこ経由で行ったとか、何分滞在したとか。

私もそんなに詳しいわけではありませんが、かなりなことがわかってしまう。だから、一度アクセスしたサイトのバナーが何度も表示されたり、自分の年齢などプロフィールに合った広告が表示されたりもする。それがどこまで効果的なのかは置いておきますが。とにかく、自分のWEBにおける行動を知っているからそんなことが起こるわけです。

同じことは、テレビ受像機でも可能は可能。いまテレビの結線率は2割程度だと言われています。ネットにつながっているテレビなら、WEB同様の解析が「理論的には」できるわけです。

この家庭のテレビは、何時何分から何チャンネルを、その後20分間は別のチャンネルを視聴していた。そんなことがわかります。さらにレコーダーも結線されていれば、録画してあった番組をいつ見たか、あるいは結局見なかったかもわかる。

そうした視聴ログにより、独自の視聴率がわかる、ということも言われています。いま公式な視聴率は数百世帯のデータをもとに算出している。母数が少なすぎないか、だったらもっと大きな規模のデータをテレビ受像機から得られるのではないか。

ただ、公式な視聴データとするためには、代表制の問題があります。いまの日本の世帯比率とほぼ同じ比率で調査対象を構成しないと「国民の視聴データを代表している」とは言えません。テレビ受像機ではどんな世帯かまでは把握できないでしょう。だからテレビ受像機から見える視聴率を、いまの公式な視聴率と代替はできない。

ただ、テレビ受像機の視聴データをTVメタデータと突き合わせると、別の方向の分析が見えてきます。その受像機を持つ世帯が、どんな番組を好むかが見えるわけです。嵐の松本潤が出演する番組をよく見ているとか、旅番組をすごくよく見ているとか、アニメ番組はまったく見ていないとか、そんなことがつぶさにわかる。

つまり、大きな傾向としての視聴率は出せないとしても、個別のテレビつまり個々の家庭の視聴傾向はわかる。メタと突き合わせればその過程の好みや趣向が解析できるわけです。

すると、その家庭のテレビに何を送り届ければ反応してもらえそうかがわかる。WEBでは当たり前になっていることが、ひょっとしたらWEBより詳細にできるかもしれないわけです。

これはよく考えると相当に画期的でラディカルなことだと思うのですが、どうでしょうか?どんなことができそうか、次回でもう少し考えてみます。


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