【Talent Rank】タレントをビッグデータで丸裸にする。タレント全量データサービス「Talent Rank 2018」
テレビに登場した全てのタレントと、Twitterで話題になったタレントを網羅したタレントデータサービス「Talent Rank」のサービスが開始された。
Talent Rankは、エム・データが作成するテレビの全放送内容を記録したTVメタデータと、角川アスキー総合研究所から提供を受けたTwitter全量データを基に作成されたタレントの全量データサービスだ。
Talent Rankには、関東キー局のテレビ放送に登場した一般人とアニメやコンテンツのキャラクター、歴史上の人物や故人を除く全ての人物が網羅され、またTwitterに書き込まれたエンターテインメント(芸能やスポーツなど)に関わる人物の中から、週250人以上にツイートされた人物が収録されている。TVメタデータとTwitterデータからの抽出は別個に独立して行われるので、テレビに出ていないけどツイートされた人物や、反対にツイートされていないけどテレビには出ている人物も含まれている。この辺りは、まだテレビには出ていないけどネットで話題の人物をいち早く発見したい、といったキャスティングニーズに大いに威力を発揮するだろう。
では、どのくらいの量のタレントがTalent Rankに収録されているのだろうか。
2017年の4月から2018年の3月末までの一年間を期間指定してTalent Rankに収録している全タレントを表示させてみると、その総数は約12万名!!これは東京都の国分寺市や小金井市、北海道の小樽市などの総人口に匹敵する規模だ。テレビとTwitterのメディア空間上に一年間に登場するタレント規模が国分寺市や小樽市の人口規模に匹敵する、私たちはそれだけのヴォリュームのタレントに日々接触し、話題にし、時に熱狂しているのだ。これだけの情報量を勘感や経験で処理していくのは不可能だろう。タレント全量データサービスは、人間では把握不可能な全タレント情報から、その時々の様々な条件にあったタレントを瞬時にリストアップすることを可能にするのだ。
潜在タレントの発掘や、他のタレントとの比較、まだ気付いていないタレントや、選定条件はわかるが正しい候補者がなかなか出せないといったタレントの網羅・抽出を考えた場合、タレント全量データの活用は極めて重要だ。これまでのタレント調査の規模は数百からせいぜい数千に止まり、更新規模も年に数回といったものが多い、これで果たして一般生活者が日々実際に接触し、刻々と状況の変わるタレント情報量を量的に、鮮度的に把握することは可能だろうか? 全タレントデータの解析といった今まで不可能であったことがTalent Rankによって可能となる、しかもTalent Rankの更新頻度は毎週、刻々と変化する最新の状況やニュース、トレンドに影響されたタレント情報が、翌週には更新されてくる。その規模感、網羅性、頻度、鮮度、どれを取ってもTalent Rankはタレント業務に携わる全てのプロフェッショナルに必携のツールと言えるだろう。
では、実際にTalent Rankに収録されているデータを見ていこう。
まずはTVメタデータだ。Talent Rankでは、TVメタデータを次の三つに分けて収録している。タレントの出演露出、話題露出、そしてCM露出だ。
タレント本人が番組に出演しているものが出演露出だ。これには番組のレギュラーとしての出演、ゲストとしての出演などがある。そのタレントがキャスティングされて番組の出演者として露出しているケースがこの出演露出になる。出演露出では出演番組名、局名、露出時間などが記録される。
これとは別に、本人は番組に出演していなくても、そのタレントの話題が番組で紹介される場合もある、たとえばワイドショーでそのタレントのニュースやゴシップなどが取り上げられる場合だ。この本人は出演していないが本人の話題が取り上げられたケースを話題露出として記録している。話題露出では露出番組名、局名、露出時間とともに話題となったコーナーのトピック名も記録されている。また、話題となった回数も重要な指標となる。
以上、タレントのテレビ番組での露出は本人出演をしている出演露出と、本人の話題が紹介された話題露出に分けられる。これとは別に、タレントがCMに起用されて放送された場合はCM露出として扱われる。ここで記録されているのはCM露出秒数、局名、広告主名、商品ブランド名、CM起用広告主数などだ。番組露出先行型のタレントと、CM先行型のタレント、バランス型、CM起用があまり多くないタレントなど、様々なタイプが存在する。
Twitterデータは、そのタレントをツイートしたアカウント数、ツイート件数、ポジネガ、アカウントの性別、10歳刻みの年代、居住エリア、そのタレント名と同時にツイートされた共起語などが記録されている。テレビ露出の変化とツイートの状況を重ねてみることで、そのタレントの様々な状況が見えてくる。とくにテレビ、Twitterとも時系列でデータを保持しているので、過去のある時点の状況や、一定期間での変化、直近の最新データから過去のある時点までの遡り、ある期日を起点とした範囲指定など、トレンドの様々な変化を指定してみることが可能になっている。
また、収録されたタレント名はTalent Rankが持つタレントマスターで管理されており、俳優・女優、アイドル、お笑い、政治家、スポーツ選手、アナウンサー、音楽(歌手)、YouTuberなどのカテゴリー指定や、性別指定、年齢指定など、様々なタレント属性による絞り込みが可能となる。これらの絞り込み条件は複数を掛け合わせて設定することも可能なので、期間指定と合わせて細かく重層的な抽出条件の設定も可能となる。12万名のタレントの海から、あなたの設定した条件に合うタレントを絞り込むことが可能なのだ。
- 今旬なタレントは誰?
- これからブレークするタレントは?
- あのタレントとこのタレントを比べてみたい
- このタレントに近いタレントは誰?
- このタレントの支持層は誰?
- 男性支持が多いのは?
- 10代女性の支持が伸びてきているのは?
- このタレントの出ていた番組は? CMは?
- テレビには出ていないけどツイートで話題なタレントは?
- このタレント、ツイートでの評判は?
- 何県で多くつぶやかれている?
- この条件にあったタレントのリストが欲しい
などなど、タレントを取り巻く様々な情報を取り出すことができるのが、Talent Rankだ。次回からはTalent Rankから見える様々な傾向や、最新タレント事情、タレント比較、Talent Rankの活用方法などをご紹介していきたい。
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著者:梅田仁 | Jin Umeda
ライフログ総合研究所(Life Log Lab.)所長
iPhone、iPod、iTunes、Mac、Apple TV、Apple Storeのシニア・マーケティング・プロデューサーとして、Apple(AAPL)を時価総額世界一のブランドに育て上げることに貢献。iTunesで取り扱う内外のエンターテインメント・コンテンツ、アーチストの需要トレンド、視聴者の嗜好パターン分析を通してプラットフォームメディアビジネスにも精通。2013年、ライフログ総合研究所を設立、TV Rank、Talent Rankサービスを展開中。著書:「売れない時代に売る新常識」出版文化社、2011