【Talent Rank】タレントがブレークする予兆は掴めるのか?<中村倫也>

タレントがブレークする予兆を掴むことは可能だ。

その予兆が発生した日付まで判る。

過去数年間に渡ってテレビに出演した全てのタレント、Twitterで話題になった全てのタレントの動向を分析し、全タレントのビッグデータを日夜解析し続けているライフログ総合研究所では、ネクストブレーカーの発見をテーマにこれまでも多くの研究を重ねてきた。

今回はTalent Rankを使って、そんな次にブレークするタレントをどのように発見するのかご紹介しよう。
 
 

図1「2017-18の中村倫也トレンド」
 
 
図2「中村倫也のTV番組出演一覧」
 

図1は俳優、中村倫也の2017-18のトレンドだ。

最下段のグラフの赤の折れ線、Break Ratioをご覧いただきたい。これはそのタレントのメディア露出量に対するバズ喚起度を数値化したものだ。そのタレントがその瞬間にどのくらいの話題力を持ってるかを表す指標だ。

中村に最初のブレークの予兆があったのは、2017年8月28日。毎日放送系ドラマ「伊藤くんAtoE」第3話に出演した時だ(図2)。まさにこの週、中村のブレークレシオ(赤の折れ線)がブレークライン1.0の線(赤の横線)を下から上に突き抜けているのがお分かりいただけるだろうか。このシャープなスパイクが、中村倫也の今後のブレークを予兆する最初のインパクト(ファーストインパクト)だ。中村がブレークした最初のきっかっけ(ファーストインパクト)は、このドラマ「伊藤くんAtoE」だったと言ってもいい。

もちろんそれよりはるか以前から中村倫也のことをマークしていた方は大勢いる。だがここで大事なのは、それがいつ一般大衆レベルにメジャーにブレークするのかと言うことだ。

ブレークの目安となるブレークライン1.0とは、メディア露出量に対するバズ換気度(ブレークレシオ)が他のタレントよりも比較的大きい状態(ブレークレシオ1.0以上)を表す目安だ。メディアに露出して話題になるタレントもいれば、話題にならないタレントもいる。同じタレントでも露出の仕方、演出、リアクション、その時のトレンドや人々のマインドなどでその露出に対する反応は大きく変わってくる。人々の反応が他よりも際立った状態、これを見極める目安がこのブレークライン1.0をそのタレントのブレークレシオが超えたかどうか、なのである。

一度ブレークラインを超えれば、そのタレントの反応率はそれ以降大きく上がることになる。そしてこのブレークライン越えを何度か繰り返すことで、そのタレントはさらにメジャーへと大ブレークしていくのだ。そしてその大ブレークへの軌跡の最初のきっかけが、このファーストインパクトなのである。このファーストインパクトをタレントごとに見極めれば、次にブレークするタレントをリストアップすることが可能になる。

図1をご覧いただくと、ファーストインパクトの前と後で中村倫也のTwitterアカウント数(青の棒グラフ)に変化があることがお分かりいただけるだろうか。ファーストインパクト前はほとんど0かグラフの横軸に隠れてしまうくらい少なかった青の棒が、ファーストインパクト以降では増えていることがお分かりいただけるだろうか。

中村倫也のTwitterアカウント数の週平均値は、ファーストインパクトの前よりも後の方が高くなっているのである。

これはスパイク&ステップと呼ばれる現象で、ある閾値を一度でも超えるとその後のベースラインが高くなる状態を表す。これはブランドやタレントなどに共通して起こる人々の反応現象だ。一度閾値を超えたタレントやブランドは、その後の会話の中で話題にしやすくなる、”旬”を迎えるのだ。これは早すぎても遅すぎてもダメだ。そして、認知と旬は異なる。認知を得るのではなく、旬になる、これが大切だ。

スパイク&ステップで何が起きているのかお話ししよう。

インパクトスパイクはそのタレントのバズが急速に高まる現象だ。中村倫也が瞬間的にバズトレンド入りしている状態だと思っていい。前の週までの中村と違って、この週の中村にはインパクトのあるトピックがあり、人々はそれに反応して思わずバズり、中村がトレンド入りするわけである。

それはたとえば中村を知らなかった人がその週にメディア露出した中村に接触してあらなんて素敵な俳優がいるのかしらと反応しているケースもあるだろうし、名前までは知らなくても中村の顔は覚えていた人がメディア露出した中村に接触してあら彼なかなかいいじゃない、と反応したケースもあるだろう。これらの反応の中にあった例えばイケメンとかのパワーワードに反応したフォロワー層が脊髄反射してさらにバズを高めているケースも考えられるし、私がいいと思ってた中村を他人が話題にしていることで私も参加、なんてケースもある。そんな一つ一つの小さな反応がヴォリュームとしてこの瞬間に凝縮されてドカンと放たれたわけである。これが”旬”の力だ。

この瞬間、ファーストインパクトの時に中村に反応した、中村をつぶやいた、そのつぶやきに触れた人々の集団が出来上がる。ファースト中村インパクトメーカーズだ。この集団が、インパクト以降中村について再反応しやすくなるロイヤル層となっていくのである。その結果インパクト前と比べてその後では、中村のバズ反応率が高まり、これまではああまり反応しなかったようなネタにも反応が起こって中村のバズ量がさらに底上げされていくのである。

こんな状態の時に第二第三のトピックが続けて投下されれば、その度ごとにスパイクがどんどんと立ち上がり、インパクトとその後のベースラインの底上げが繰り返されていくことになる。別の視点からいうと、このインパクトスパイクによるその後の押し上げ効果は時とともに低減していく傾向にある。よって、ファーストインパクトの効果が落ちきる前に、フォロー、つまりセカンド、サードインパクトが必要なのだ。

そして中村のケースではまさにそれが起きている。

図1をご覧いただきたい、中村倫也のセカンドインパクト、サードインパクトの後でそれぞれTwitterのベースラインがさらに上がっていることがお分かりいただけるだろうか。

これは、例えば最初に20代後半の女性層を中心に反応していた中村が、いつの間にか全性別全年代で反応されるようにインパクトが拡大していく状況を表す、そうロイヤル層を超えてブレークが起きているのだ。2018年5月の時点で中村のTwitterベースラインは5,000件を超えているので、もうこの時点で新人俳優としての中村は大ブレーク中である。次の段階はこの人気を全国区、全世代に拡大していくこと、つまりTwitterベースライン一万件ご越えだ。

そしてそれは2018年10月以降訪れる。この時期、中村倫也のテレビ番組話題回数、テレビCM露出、Twitter、ブレークレシオはさらに大きく伸びることになる。中村倫也のタレント偏差値もこの時期にピークを記録している。ファーストインパクトから1年後に、俳優・中村倫也は大ブレークを果たしたわけだ。

もちろんこれはTwitterだけの反応ではない。ご存知のように、中村倫也は2018年Yahoo!検索対象俳優部門賞を受賞している。多くのケースと同様、バズが増えるのと連動して、検索量も増えていくのだ。

2019年、彼の人気はさらに拡大していくだろう。

タレントがブレークする予兆をどのように掴むのか、お分りいただけただろうか。

Talent Rankでは、ブレークの予兆であるファーストインパクト(ブレークライン1.0越え)のあったタレントのリストを毎週作成する、なんてことも可能だ。このリストは、旬のネクストブレーカーを網羅した興味深いものになる。それはまさに、誕生したてのスター予備軍の名前が連なるダイヤモンドリストだ。

あなたは、スターが誕生する瞬間に立ち会えるのだ。


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