発表!【TV-CM四季報】〜「TV-CM指数」で株価を先読み!
TVメタデータを株価の先行指標として活用する記事に大きな反響をいただいている。
- 「テレビデータで株価は予測できるか?」(メタラボ)https://mdata.tv/blog/20210324_01/
- 「テレビ露出データで株価先読み「勝率8割」 鬼滅のヒットも可視化」(日経クロストレンド)https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00450/00007/?i_cid=nbpnxr_author
- 「「TVメタデータ」によって可能になるトレンドの可視化」(オルインWeb)https://al-in.jp/9284/
各記事でも触れられているが、オルタナデータとしてTVメタデータを活用する上でのポイントは、TVを株式銘柄ごとの情報量を測定する手段として上手く活用することだ。TVでの情報露出量のトレンドは各企業の活動量の変化と密接に連動しており、その結果がビジネスや株価の評価として反映されるからだ。
そのため、株式銘柄ごとのTV露出量のトレンドが簡単にわかるサービスが求められている。
今回は、TVメタデータをどなたにもより簡単にご活用いただける【TV-CM四季報】についてご紹介する。
【TV-CM四季報】はPDFによるレポートと、集計済みデータとして提供できるので、TVメタデータを導入して自身でクレンジングを行い、有用なデータポイントを発見し、ビジネスに活用できそうなファインディングをサマリーするといった膨大な統計分析タスクをいちいち行う必要がない。【TV-CM四季報】では全てのデータが「証券コード」別に分類され、東証の17業種と33業種別にあらかじめ仕分けされているので、ユーザーは株式銘柄ごと、業種ごとの必要な結果だけを見ることができる。
【TV-CM四季報】は、現在以下のメニューで構成されている。またこの内容は、今後ニーズに合わせて順次拡大していく予定だ。
【TV-CM四季報】ランキング
- TV-CM放映秒数ランキング – 業種別(東証33業種、以下同)
- TV-CM放映秒数ランキング – 銘柄別(東証全銘柄、以下同)
- TV-CM上昇業種ランキング – 業種別
- TV-CM上昇銘柄ランキング – 銘柄別
- TV-CM新規放映銘柄ランキング – 銘柄別
- TV-CM指数・前期比ランキング – 業種別
- TV-CM指数・前期比ランキング – 銘柄別
- TV-CM指数・前年比ランキング – 業種別
- TV-CM指数・前年比ランキング – 銘柄別
【TV-CM四季報】サマリー
- TV-CMセンチメント – 業種別(東証17業種)
- 強気業種、弱気業種リスト
- 業種別サマリー【東証17業種区分】
- 業種別TV-CMセンチメント- 銘柄別(強気銘柄、弱気銘柄)
- 業種別TV-CM指数・前期比 銘柄別ランキング
- 業種別TV-CM指数・前年比 銘柄別ランキング
図2は、「TV-CM指数・前期比ランキング – 銘柄別」の例だ。
前期比CM指数は前の四半期を基準にしているので、2022年Q1(1-3月期)のこの例の場合、前期(2021年10-12月期)と比べて今季の銘柄別のTV-CM量がどのぐらい増えているのか(減っているのか)が指数を見るだけでわかる。この例の場合、前期比TV-CM指数の第一位はグリーで、TV-CM量が前期の223.5倍になっていることがわかる。グリーは2022年1-3月期に大幅にTV-CM量を増やし、その前期比伸び率は東証上場全銘柄中トップである、という訳である。
TV-CMは財務的には販管費に分類され、決算上は常に利益との相反が課題となる。特にコロナ禍のようなビジネス環境の変動期にあっては、その費用が新たな需要や利益を創出する投資となるのか、それともビジネス上のリターンが不明確な単なる経費支出として終わってしまうのかが厳しく問われる。そんな中にあってTV-CMを拡大する決断をした企業や業界は、コロナによる環境変化の中にも商機を見出したグループであり、反対にTV-CMを縮小したグループの中には、厳しい経営判断を行っているものもあるだろう。言い換えると、TV-CM量の増減動向(TV-CM指数)は、これら個別企業や業種別の業績に対する経営上のセンチメントをいち早く反映したものだと言うことだ。このように銘柄別や業種別の「TV-CM指数」を利用すれば、各決算期に反映されるよりも前にいち早く個別企業や業種別の投資動向や経営判断を推測することが可能になるだろう。
図3は、「TV-CM指数」を利用して業種別のセンチメントを可視化したものだ。
グラフの縦軸が前期比TV-CM指数、横軸が前年比のTV-CM指数である。円の大きさはTV-CM露出量だ。
グラフの上にある業種ほど前期比のTV-CM量が多く、右にある業種ほど前年比のTV-CM量が多いことを表している。どちらもTV-CM量を増やすという経営判断をした業界ということになるが、上にある業種は前期比、つまりこの1-3月期のシーズナリティが高い業種であり、右にある業種は昨年対比でTV-CM量を増やす判断をした業種だ。
象限別にまとめると、右上の象限にある業種はシーズナリティから見ても、昨年対比で見てもTV-CM増を決断したいわば「強気」業種。左上象限はシーズナリティは増やすが昨年を下回る業種、ここはシーズナリティ的にTV-CMを増やしてはいるが昨年比での成長では下回るかもしれない注意の必要なグループだ。右下は、今回は例が無いが、シーズナリティとは関係なく昨対でTV-CM増を決断した業種、ここに例があれば年間を通じた上昇基調が期待できたかもしれない何らかの成長根拠がある要注目のグループだ。最後に左下は、シーズナリティは無く昨対でもTV-CMを縮小したグループ、どちらかと言えば「弱気」判断をしているグループだ。
図4は東証17業種区分の業種別のサマリーである。
ここでは各業種に分類される株式銘柄ごとのセンチメントが可視化されている。
各業種別に、TV-CM指数に基づく強気銘柄、弱気銘柄、注意銘柄、注目銘柄が直感的にわかる仕掛けだ。見方は先の業種別センチメントと同じである。
このように膨大なTVデータを全株式銘柄別、上場業種区分別に可視化することで、直感的に銘柄ごとの動向を把握できるようにしたのが今回ご紹介した「TV-CM四季報」である。
結果だけをすぐ知りたい、というニーズに端的にお答えできるサービスと言えるのではないだろうか。
「TV-CM四季報」
お問い合わせは、こちらまで。
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著者:梅田仁 | Jin Umeda
ライフログ総合研究所(Life Log Lab.)所長
iPhone、iPod、iTunes、Mac、Apple TV、Apple Storeのシニア・マーケティング・プロデューサーとして、Apple(AAPL)を時価総額世界一のブランドに育て上げることに貢献。iTunesで取り扱う内外のエンターテインメント・コンテンツ、アーチストの需要トレンド、視聴者の嗜好パターン分析を通してプラットフォームメディアビジネスにも精通。2013年、ライフログ総合研究所を設立、TV Rank、Talent Rankサービスを展開中。著書:「売れない時代に売る新常識」出版文化社、2011