”TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(活用編その2)

こんにちは。株式会社エム・データの上田です。


またまた間が空いてしまいましたが(汗)、前回の「”TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(活用編その1)」の結びでも書きましたとおり、今回は「スマートデバイス(スマートフォン、タブレット)」と「TV視聴」の関係とそのスタイルについて、TVメタデータを交えてお伝えしようと思います。宜しくお願いします。



さて、おさらいですが、

「TVメタデータ」とは、TV番組やTV-CMで放送された情報(内容)をテキストデータ化したものです。 ”TVメタデータ”って何のこと・・・(入門編) ”TVメタデータ”の中身ってどうなっているの・・・(内容編)

その「TVメタデータ」では、自社(クライアント)や他社の商品やサービスのTV露出確認や広告効果測定に使われたり、Webやクチコミ、SNS上の情報とクロス分析をしたマーケテングダッシュボードとして利用されたり(BtoBでの利活用)、TV番組で紹介された商品、店舗、施設が見つけられ、購入や予約などができるサービスに使われたり、録画したTV番組のどこで、どのような話題があったのかを検索して再生できるサービスで利用されたり(BtoCでの利活用)と様々な側面で活用されていることは、前回まででお伝えした通りです。 “TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(活用編その1)



さて、「スマートデバイス」での「TVメタデータ」の利活用ですが、現在、家電メーカーやTV放送局などから、TV視聴のお供となる(TV視聴をより楽しく便利にするための)アプリやツールがリリースされています。前回ご紹介しました、録画したTV番組やTV-CMをTVメタデータを駆使してシーン視聴ができる、東芝やソニーからも、そのシーン視聴の機能をスマートデバイスに移植させた「スマートリモコンアプリ」(TVリモコンの機能を進化させスマートデバイスに移植させたもの)をリリースしています。今までTV視聴時の片手にあったTVリモコンの代わりに、その機能を進化させてスマートデバイスに肩代わりをさせよう、また、ワンタッチでほしい情報へ、ストレスフリーにユーザーへ到達させようという観点から出発したサービスで、その点では「スマートフォン×TVメタデータ」の絡みでは代表的で分かりやすいものといえます。

前述のBtoCでの利活用という点からスタートし、視聴者(ユーザー)がTVの情報にいつでもタッチできるという実態(TVメタデータのような、フロー型であったTVの放送内容が、データとして蓄積され展開できるストック型の情報として扱えるようになったという点)と、それらに手軽にタッチできるという技術(手軽でストレスフリーに情報へタッチできるという技術=スマートデバイス)が合間ったからこそ登場したサービス(利活用のされ方)であるといえるでしょうか。
 
 

●株式会社東芝「TimeOn 番組シーン検索 for iOS」

 
 

●株式会社ソニー「もくじでジャンプ(スモールアプリ)」(※2020年現在はサービスを停止しております)

 
 
 

その他にも、TV番組で紹介された商品や店舗の情報にアクセスでき、twitterでの各局の番組盛り上がりを確認できる

●シャープ株式会社「おしえてリモコン」(※2020年現在はサービスを停止しております)

 
 

ここ1、2年の潮流として、TVを見ながらスマートフォンやタブレットなどを介して情報に触れたり、コミュニケーションを図ったりするというスタイルは、それを実践しているしていないに関わらず、当たり前に納得できるくらい世の中に浸透しています。情報に触れるという点では、知りたいもの、手に入れたいものを素早く検索する行為が代表的でしょうし、コミュニケーションでは、twitterやLINEを駆使して、友人や知人とTVの放送内容をキーとして関係したり、また情報発信をしたりする行為が代表的でしょう。

TVドラマに出ている人物の衣装やロケ地を知りたい、グルメや行楽の話題で食べたい、行ってみたいという欲求を満たす、またtwitterでの「バルス!」の事象に代表されるような、放送内容と同期して、一斉にコミュニケーション(関係)を持つ、またはその放送内容に乗っかって情報発信をする背景には、TVを見ている傍らでクイックに、ストレスフリーにその情報に到達、または発信ができることが必要で、以前はPCがその役割を担ってきましたが、片手で操作可能な、また高機能・高性能であるスマートデバイスがその役割を担い、かつより簡易にその欲求を満たすためのツールとして機能拡張したきたことがあるでしょう。

ただ前提として忘れてはいけないのが、そもそもTVを見ている傍らで、その副次的ツールとして、またTV視聴をより楽しく、魅力的にさせるツールとしてこれらが存在するという点があります。(補足として、前述しましたが「TVメタデータ」はフロー型であったTVの放送内容をストック型として、いつでもリーチできる情報としてデータ化されているという点で「持ち出せるTV情報」といえますから、TV視聴の環境から離れた状況(TVを視聴していない状況)でも、魅力的なサービスとして活用はできますし、現在もそのようなサービスも存在します。)

この点に注目し「TVは面白いし魅力的な情報の宝庫である」ことを再認識させようとスタートさせているのが、放送局からリリースされているアプリです。
 
 

●日本テレビ「Wiztv」

 

日本テレビがリリースしている「wiztv」は、前述の「おしえてリモコン」のように、twitterでの各局の番組盛り上がりを確認できるアプリですが、そのツィートの盛り上がりが、どのシーンやコーナー、どの出演者や話題で盛り上がっているのかが分かるように、関東キー局全ての番組で放送された内容の仔細を確認できるようになっています。ここでも「TVメタデータ」が利用されているわけですが、関東キー局全ての情報を展開しているという点では、自局にこだわるのではなく視聴者(ユーザー)の立場になって、全局でなければ意味がないという単純に「TV視聴の前提=当たり前」にしっかり立脚したサービスを、やはり単独の放送局からリリースしているという点では画期的です。
 
 

●TBSテレビ「TBSぶぶたす」(※2020年現在はサービスを停止しております)

 

一方、TBSテレビがリリースしている「TBSぶぶたす」というアプリは、TBSのTV番組(一部)の”放送と連動”しているという点で画期的です。”放送と連動”とは、TVで放送されるのと同タイミングで、例えば放送で紹介された商品が購入できるとか、イベントのチケット予約ができるとか、観光地やレストランのHPや地図が見れるとか、という放送で紹介されたアイテムの補足的な情報(視聴者がその情報に興味・関心を持ち、欲求を満たす=”買う/行う”というアクションのための情報)がアプリに表示されていきます。2015年1月22日現在では「王様のブランチ」「CDTV」「ランク王国」の3番組と連動していますが、該当番組の放送中に、話題の書籍、公開中の映画、流行のお店や商品、オススメの観光地やイベント、音楽ランキングやコミックランキングで登場したアイテムに関する情報が、放送と同時にアプリに格納されていく様子は、驚きであり新鮮です。この裏側にも勿論「TVメタデータ」は存在していて、エム・データは、このアプリ専用のデータ作成のお手伝いをしています。(番組出演者の制作裏話や、出演者の衣装、スポンサーとのタイアップ企画やプレゼント企画など、TVを放送している立場だからこその情報も入手できます。)


「TV視聴」と同時に「情報」が視聴者の手元に届く。視聴者の欲求行動を適えるための「情報」にワンタッチでアクセスできる。放送終了後一定期間は「情報」がアプリ内に蓄積されるので、放送後の外出先でも「情報」を確認できる。という3つの大きなポイントがこのサービスにはあります。

それは、TVを見てもらい、やはりTVは面白いし、欲しい情報の宝庫である、という点を再認識・再確認してもらう。今まで手軽に入手できなかった情報、欲求行動(アクション)をワンタッチで適えられる情報や仕組みを用意(提供)する。TV放送後でもその情報にアクセスできる「持ち出せるTV」という新しい楽しみ方を用意する。(フローではなくストックとしての情報を、消えてしまってそこで終わりではなく、残すことでその情報を視聴者のなかで再定義させ、場合によっては拡散してもらう)ということを、放送局自身が実践し「TVの在り方と楽しみ方の再認識と再定義」を行う、また行わなければならないタイミングであるからこそのサービスであると思えます。(いささか大仰かもしれませんが・・・)


少なくとも、TVを見ること、それを楽しむことのアプローチや在り方が変わってきたのは事実で、それが、面白くない画一的なコンテンツのせいなのか、また新しいメディア(媒体やプラットフォーム)の登場のせいなのか、情報入手できる先が沢山あり、過去TVが担っていた要素(=要求や期待)が分散したせいのか、どれも当っているように感じますし、どれも間違っているように思えます。そう感じるのは、今までが、それぞれの点(=立ち位置)で判断し考えてきたからこそであるならば、それらの点を繋ぐか、合わせてしまって新しい点となり、場合によっては面(連携やプラットフォーム)となって、そこで考えて実践していく。当たり前といえばそうですが、そう繋げてあげる技術や繋いだ先の技術が、例えば「スマートデバイス」であるならば、それを繋げて合わせる「線」や「中間点=ハブ」の役割が「TVメタデータ」にあるのではないか、と考えています。



さて、次回も活用編です。(もう少し続きます。)



ありがとうございました。


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