新人メタデータコーディネーターが「平成生まれのタレント」について調べてみた!
こんにちは、新人メタデータコーディネーターの荒川です。
平成も残すところ一ヶ月強となり、今後もテレビ番組で平成特集などが組まれ、より賑わっていきそうですね。
今回は、「たとえば私が平成特番でキャスティングするとしたら」という設定で、平成生まれのタレントに絞って、テレビ番組の出演、および性年代別口コミについて調べてみました。今回もケーススタディとしてお届けいたします。
まずはテレビ番組でのタレント出演データを抽出します。前回と同じように関東の放送局(NHK、Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビ番組データを対象に、時期による話題性の偏りが出ないように、長めにとって2018年1月1日~2018年12月31日の期間で設定。ここから再放送の番組を含めない本数でカウントしました。
次にこのデータにタレントの性別や年齢、カテゴリーなどの属性情報を付けてセグメントしていくのですが、エム・データが提供する「Talent Rank」(※1)には既に属性情報が付いているので、これを使用していきます。(Talent RankについてはL3の梅田所長のブログ記事が詳しいです!)
※1:「Talent Rank」は、 エム・データが提供するTVメタデータから、TV出演者の「TVでの話題露出量、TV番組出演量、TVCM放送量」と角川アスキー総合研究所によるエンタメに関するTwitter全量データ(タレントについてのTwitter上でのツイート数を調査したデータ)を活用し、独自にスコア化。タレントパワーを可視化してTV番組やプロモーションへのキャスティング活用、ネクストブレイカー発掘をサポートするダッシュボードサービスです。
今回は平成を振り返るバラエティ特番の設定にしたいので、独断ですが、「Talent Rank」で指定しているタレント属性ジャンルが「お笑い、俳優・女優、タレント・モデル、アイドル」の、平成生まれである0~30歳を対象にしました。これにより、対象者は約3,800人出てきました。
それでは、まずはテレビ番組の出演回数を見ていきましょう。
テレビ番組出演回数
女性部門一位は小島瑠璃子さんでした。レギュラー番組本数が多く、フジテレビ「プレミアの巣窟」、日本テレビ「ヒルナンデス」、TBS系列「サタデープラス」、NHK Eテレ「サイエンスZERO」などで活躍されていました。
男性部門一位は花田ゆういちろうさんでした。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」(週6日放送)で12代目うたのおにいさんをされていることから、回数が伸びる結果となりました。
テレビ番組出演回数(3局以上)
上記のように、純粋な出演回数で算出すると、当然放送回数が多いレギュラー番組を持たれている方が上位に来ますが、今回は特番のイメージに設定しているので、いかに私が企画した弱小番組へ来ていただけるかが重要です。1番組のパワーが強すぎないよう、様々な種類の番組に呼ばれているという認知度の高さを加えるために、出演したテレビ局がどこか特定の局ではなく、対象7局中半分の3局以上への出演、という条件でセグメントしたいと思います。
女性部門が先ほどのランキングと全く一緒になってしまったので、10位まで広げてみました。女性部門がバラエティへよく出演されているモデルやタレントが多いのに対し、男性部門はアイドルが多く、特に半分が平成生まれ限定のグループであるHey!Say!JUMPでした。平成世代感が出ていますね。ランキングの20名のうち6名が、対象局7局全てに出演されている方でした。
大人世代人気
次に、平成特番を楽しむのは平成世代よりもむしろ昭和世代ではないかと考え、昭和世代の方が話題にしているタレントのランキングを作ってみました。
エム・データの「Talent Rank」はタレントに関してのツイート数やTwitterユーザー数をタレントパワーの可視化の指標としており、Twitterユーザーの年齢をセグメントすることができます。このデータを使って、今回は40~60代のユーザー割合が高い方、つまり同世代の支持を得ているというよりも、どちらかというと「大人世代」に人気が高い方でセグメントしたランキングにしてみました。
ランキングのセグメント条件は下記にしています。
・ツイートされているTwitterユーザー数が年間1.2万人以上のタレント
対象者に対してのTwitterユーザー数が少ないと局地的なランキングになってしまう、また1ユーザーあたりの40~60代のユーザー割合の重みが増してしまうので、足切りのための条件をつけています。1.2万人という数字は、通常「Talent Rank」に新規で登録するタレントの条件を、毎週250人以上のユーザー数獲得者としており、その年間計算で1.2万人にしています。「Talent Rank」の設定条件などは、長くなってしまうので割愛します。
・テレビの年間出演回数40回以上のタレント
あまりテレビに出演されない方は特番のオファーも難しいと思いますので、テレビ出演回数が少ない方を足切りするため、対象者の約半数が拾える、テレビ年間出演回数40回以上出演の方を対象にしました。
以上で、対象者が192人まで絞られました。ここから40~60代のユーザー割合が高い方のランキングを見てみます。
女性、男性ともに特に俳優・女優が固まりました。納得と言えば納得ですが、もう少しグラビアアイドルなどがトップに来ると思っていたので、少々意外な結果です。でも確かに、大人の方にも愛されそうな親しみのあるキャラクターの方が多く並んだ気がします。
同世代人気
今度は逆に、同じ平成世代に人気の高いタレントを見ていきます。テレビ番組をキャスティングする大人世代の方が気づいていない、フレッシュなタレントがいるかもしれません。
先日グループ名を改名し、今週デビューシングルの発売を予定している日向坂46と、ジャニーズJr.(美 少年とHiHi Jets)のランクインがあり、いずれもデビュー前のアイドルでした。これに紐づいているのか、先ほどの「大人人気」でランクインしたタレントの平均年齢が女性22.2歳、男性23.9歳だったのに対し、同世代では女性21.8歳、男性21.3歳と、年齢が低くなりました。
また、平均出演回数で見ていくと、「大人人気」ランクインが女性128.1回、男性84.2回なのに対し、同世代では女性85.1回、男性75.0回と、こちらも回数が少なくなりました。大人世代の方がテレビに多く出演されている方を話題にしやすく、同世代の方がテレビ以外からの情報も多く得ているということが言えるかもしれません。
男女フラット人気
最後に、支持している世代は関係なく、そのタレントを話題にしている男女比が同じぐらいの方のランキングを作ってみました。今回は仮で設定した番組の内容が「平成の文化を振り返る特番」ということで、性別に関係なく、フラットに視聴していただきたいので、中央値に近ければ近いほど上位になるようにしました。使用したTwitterの全体データの男女比が、女59.0%、男40.9%の比率でしたので、この数値を中央値としたいと思います。
平均年齢は女性21.6歳、男性26.2歳、平均出演回数は女性127.2回、男性89.5回となりました。先ほどの年代別と比較すると、男女ともに出演回数がグンと高くなり、女性の平均年齢は低く、男性は高くなっています。これまでのランキングよりも同性票がやや高めになる選定のランキングであるため、同性になると女性は若めな人を、男性は大人な方を好む傾向があるということでしょうか。
オファー
ということで以上のパターンを踏まえて、今回私がオファー(仮)をするタレントさんはこちらの方々にしてみます!
年齢や属性もなるべくバラけるように考えてみました。
- 小島瑠璃子(25歳/タレント・モデル/テレビ番組出演回数1位/大人人気2位)
- 矢本悠馬(28歳/俳優/大人人気1位/男女比5位)
- 桜井日奈子(21歳/タレント・モデル/同世代7位/男女比5位)
- 那須雄登(16歳/アイドル/同世代1位)
安心感もありつつフレッシュな感じもあり、我ながら、多くの方に見ていただけそうな気がします!
最後に
今回タレントの属性を「お笑い、俳優・女優、タレント・モデル、アイドル」で絞りましたが、内訳は下記の通りでした。
対象となる「お笑い芸人」は男女合わせて5名、「タレント・モデル」の男性は3名と、大変少ない対象人数となりました。この両ジャンルにおいては、タレントの年齢層が高いことを実感させられます。
テレビに出演されている方の全体の年齢層も知っておく必要があると思いますので、ネタに詰まったら今後世代別での比較もしてみたいと思います。
ちなみにこれまでにランクインしたタレント75名のうち4名、上白石萌歌さん、芳根京子さん、伊藤健太郎さん、吉沢亮さんが、本年度「第42回日本アカデミー賞」で新人俳優賞を受賞されていました。他にも9名が過去の新人俳優賞を受賞された方なので、テレビとは異なる映画の分野になりますが、今回設定した「Twitter投稿ユーザー数年間1.2万人以上」「テレビ番組年間出演回数50回以上」の条件をクリアする関連性としても注目したいポイントです。来年以降の日本アカデミー賞にも、このタレントさんたちの中から続々と受賞者が登場してきそうですね!
以上、「平成生まれのタレントについて調べてみた」でした。
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著者:荒川 楓 (Arakawa Kaede)
株式会社エム・データ
メタデータコーディネーター/広報チーム。大学在学時にテレビ局・映画配給会社でアルバイトをした後、映画業界で企画・マーケティングなど。
M Data Co.,Ltd.
A Metadata coordinator and in charge of public relations. I used to work in the movie industry and TV stations.
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