【TV-CM白書】第2回 「TV-CM白書、登場!!〜CM銘柄ランキング」

東証上場全銘柄のTV-CM利用状況をまとめた「2023-2024 TV-CM白書 – 東証上場銘柄編」をご紹介するシリーズの2回目は、TV-CMデータを利用して上場銘柄の評価を行う上で基本となる「CM銘柄ランキング」をとりあげる。

「TV-CM白書」は、エム・データが保有するTVメタデータから東京証券取引所に上場しているすべての銘柄のTV-CM活用状況をまとめた白書で、テレビデータを利用して上場銘柄の分析や評価を行うのに最適なデータ集だ。従来型の株価や出来高から集計された株式市場のデータや、一般的な財務諸表から得られる各種データとは別に、これまでの金融データからは独立した存在であったテレビ・データをオルタナティブ・データとして活用して上場銘柄やセクターの分析を行うことが、この白書を利用することで可能となる。TV-CMという切り口から個別の銘柄やセクターごとの活動状況を把握、分析することで、株式市場データや財務データからは見えてこなかった異なる角度からの分析評価を行うことができる。そして、これらの利用できる様々なデータからの示唆を統合することで、より包括的な、立体的な分析が可能になるだろう。


今回は、白書に収録された様々なコンテンツの中から、各銘柄のTV-CM利用状況を集計した「CM銘柄ランキング」をご紹介する。


図1:東証全銘柄の「TV-CM指数銘柄ランキング」



図1は、東証全銘柄の「TV-CM指数銘柄ランキング」だ。TV-CMの露出量から換算したTV-CM指数のランキングである。CM指数は基準期間の全銘柄平均値が1となるように算出されており、たとえばこのランキングの1位の29.41という指数は、この1位の銘柄が全銘柄平均の29.41倍のTV-CMを実施しているということを表している。ランキングの36位でも指数は3.72であるので、36位のレベルでも全銘柄平均の3倍以上のCM露出量があったということになる。

この指数を異なる期間で比較することで、例えば前年や前期、あるいは他の銘柄と比較してどのぐらいの規模の違いがあるのかが直感的に把握できるようになっている。CM指数の数値は単純に全銘柄平均に対して何倍であったかがわかるという絶対量の把握だけではなく、他の銘柄との比較でもそれぞれの規模感が相対的に認識しやすく、また時系列での分析でもこの指数のトレンドを追えば各時期での規模感の変化が把握しやすい。

CM指数で各銘柄のTV-CMの規模を把握するメリットがお分かりいただけたであろうか。

この銘柄ランキングはTV-CM実施規模の大きい銘柄順のランキングであり、CM指数が大きければそれだけCM量が多いということを表し、他の銘柄と比べて積極的にTV-CMを活用している銘柄であるということになる。このランキングにはCM指数の対前年増減率と対前期増減率も表示されているので、各銘柄のCM指数が昨年と比べて増えているのか減っているのか、前期と比べてはどうなのかがわかる。CM指数の数値が大きく対前年、対前期とも増加傾向にあればその銘柄は強気のマーケティング(TV-CM)投資をしているのだろうし、反対に前年に対してマイナスなのであれば今年度のマーケティング活動は縮小傾向にあるのかもしれないと言えるだろう。だとすればその増減の背景には何があるのか、そう考えていくことで各銘柄の分析にストーリーが生まれる。これがこの白書の各項目を捲るメリットだ。

各銘柄には業種分類がされているので、業種ごとの強気銘柄、弱気銘柄の存在とその違いも見えてくる。

いかがだろう、この銘柄ランキングはTV-CMデータを銘柄評価のためのオルタナティブ・データとして活用する上での基本データであり、ここからは評価の基点となる様々な示唆が得られるだろう。

次回は、銘柄ランキングの他の指標も含めてさらにTV-CMデータを用いた銘柄分析についてお話を進めていく。




先行受付開始!(販売時期・価格未定)

「2023-2024 TV-CM白書 – 東証上場銘柄編」

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【TV-CM白書】シリーズ

第1回 「TV-CM白書、登場!!〜CMデータから注目銘柄を分析!〜」
第3回 「TV-CM白書、登場!!〜CMデータで銘柄分析」」
第4回 「上昇銘柄ランキング!」


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