【”TVメタデータ”ってどう使われているの・・・(番外編その3)】TVメタデータを集計すると、色々なことが見えてくる(かも)TV番組編。
こんにちは。株式会社エム・データの上田です。
前回に引き続き、今回もTVメタデータを元として集計をした結果、色々なことが見えてきますよ(見えてくるかも)というお話です。
引用として前回同様にブログ開設前にエム・データのFacebookページで投稿してきた過去の集計調査の記事を参照したいと思います。
麺類のテレビ的な旬を考える(2014年7月掲載)
※以下は一部、本記事用に過去記事を編集しています。
日本人は麺が大好き。ラーメン、うどん、パスタ、そうめん、焼きそば、フォー…今では世界中のさまざまな麺が簡単に手に入り、忙しいサラリーマンの昼食から子供のおやつとしてまで、生活のあらゆる局面で私たちの空腹を手軽に満たしてくれます。
暖かくしても冷たくしても美味しく頂ける麺類。年がら年中食べられるだけに、旬って分かりにくくないですか?
食べ物は旬に食べるからこそありがたみが増すもの。そこで我々は、テレビの取り扱いが多い時期こそ旬なんだぞという企業ポリシー(?)にのっとり、主要な麺類について何月が旬なのかを探ってみたいと思い立ちました。
エム・データのTV番組の放送履歴データ(2010年1月~2014年6月分)を参照し「ラーメン」「うどん」「そば」「パスタ」類の月別平均紹介番組数を集計してみました。紹介数が突出している月をその麺の「旬」と(勝手に)決めつけてみます。
パスタ:過ごしやすい春秋に映える (月平均紹介番組数:85番組)
5月、10月に突出した山が出来てますね。スープで食べるものもありますが、パスタは基本的に茹でた麺をソースに絡めて食べるもので、それほど熱くも冷たくもない料理です。四季を通じて食べることが出来ますが、テレビ的には適温で提供されるパスタは過ごしやすい初夏や秋口が似合うのでしょう。テレビ番組の行楽特集では、夏は海、冬は温泉といったように、その季節のイメージにフィットしたスポットの取り扱いが増えるのに対し、春秋は比較的東京から近場のスポットの取り扱いが相対的に増える傾向があります。いわゆる「おしゃれスポット」を扱うときに、イタリアンが持つ「何となくおしゃれなイメージ」がアクセントとして重要なのかもしれません。
うどん:ご当地グルメが脚光を浴びる秋 (月平均紹介番組数:87番組)
11月にピークを迎えていますが、内容を精査すると、紅葉関連スポットでの紹介のほか、秋に開催されるご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に関連した話題が多いようです。調理が手軽かつ日本的で、つゆや具で独自性を出しやすいうどんは、ご当地グルメとして開発がしやすいジャンルなのでしょう。また近年「うどん県」としてPRに力を入れている香川県を紹介する特集企画が初夏に多い傾向があるようです。特に7月2日は讃岐うどんの製麺業者の組合が定めた「うどんの日」で、無料配布イベントを扱う報道が一定量あります。
そば:「年越し=そば」は日本人の合言葉 (月平均紹介番組数:35番組)
他ジャンルと比べ取り扱い番組数は全体的に少ない中、年末年始はやはり定番の「年越しそば」の紹介で露出が増える傾向があります。そばというアイテムを目の前にすることで、日本人は年の行き来を実感するものですね。そばは、ざるそばなど暑い夏にぴったりなイメージがありますが、テレビ的には真夏よりも、その前後の時期で神奈川県(鎌倉、箱根の名店)、長野県(信州そば)などが扱われる傾向があります。直近(2014年7月時点)では、圏央道の全線開通で高尾山名物のとろろそばが良く取り上げられています。
ラーメン:熱量で寒さ暑さを乗り越えろ (月平均紹介番組数:140番組)
ラーメンはやはりグルメ特集的には横綱。とりあえずラーメンを扱えば大きな間違いはないとばかりに、紹介番組数では大きな差を付けています。取り扱い傾向を見ても春夏秋冬を問わないオールラウンドぶりを見せていますが、その中でもラーメンは真夏、真冬といった、気温的に極端な時期により露出を強める傾向があります。ラーメンのイメージと言えば「熱さ」。スープの熱さもさることながら、テレビ番組では店主がラーメンにかける思いの「熱さ」にスポットをあてた特集が多いものです。「なぜか腕組みをしている写真が多い」と言われるラーメン店主ですが、味へのこだわり、自信を語る熱量が、寒い冬に視聴者の心を温め、暑い夏には汗をかかせて涼ませるのでしょう。
如何でしたでしょうか。
あくまでもTV番組での紹介番組数が多いか少ないかによって”旬”と位置付けていますので、実感とは違うかもしれません。ただ「紹介されるTV番組数が多い」ことは「視聴者数の目に触れる機会が多い」ことに繋がりますし、流行の形成や認知の醸成にTVのパワーはまだまだ無視できるものではないですから、一定の説得力はあるのではないでしょうか。
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著者:上田 雅司
株式会社エム・データ
執行役
データマネジメント部 シニアマネージャー