”TVメタデータ”って何のこと・・・(入門編)
はじめまして。
株式会社エム・データの上田と申します。
株式会社エム・データの公式ブログ「メタラボ」がスタートしましたが、エム・データに馴染みのない方々は沢山いらっしゃるかと思いますし、そもそも何やっている会社なの?という疑問があるかと思います。
一言で言うと、
「エム・データはTVメタデータを作っている会社」
になりますが、それじゃあ「TVメタデータって何なのさ!?」ということになりますね。
これから皆さんが読まれる各執筆陣のブログ中には「TVメタデータ」という言葉や、「TVメタデータ」を使用した情報がたくさん登場します。
この馴染みのない「TVメタデータ」について、私が担当する数回のブログでは、株式会社エム・データと「TVメタデータ」について、分かりやすく皆さんにお伝えしたいと思います。皆さんには「???」から「!!!」となってもらえたら幸いです。
それでは宜しくお願いいたします!
■”TVメタデータ”って、そもそも何?
前段でも触れましたが、エム・データは「TVメタデータ」を作っている会社です。簡単にいうと「TVメタデータ」は、テレビ番組やテレビCMの放送内容をテキストとして記述したデータの総称になります。放送内容をテキスト化することについて、ピンとこないか方もいると思いますので、下記の例を取り上げます。
■A
■B
Aが実際のテレビ放送画面と思ってください。
Bがその放送内容を「TVメタデータ」化したテキストの例になります。
当たり前ですが、テレビは映像と音声で成り立っているので、出演者の動きや発言の一言一句、画面上のテロップの全てや隅に映っているだけの物や人といった細かい要素までテキストとして記述しようとすると、膨大なテキスト量になり、そもそも放送内容の意図を的確に伝える魅力的な文章構成が可能なのかという疑問も出ます。
実はこの「放送内容の意図を的確に伝える」がポイントでして、「TVメタデータ」では放送が伝えたい意図をエム・データ独自に要約(サマライズ)して簡易な文章で要点のみを記述しています。この要約(サマライズ)によるテキスト化は、文章としての魅力は正直ありませんし、そもそもテレビ放送の内容が魅力的に伝わるのは、映像と音声、場面転換などの構成と演出によるものですから文章でその魅力が伝わるものではありません。
しかし「TVメタデータ」は客観的に要点のみにフォーカスして記述されたテキストですので、「いつ」「どの局、どの番組で」「何が」「誰によって」「どのように」「どの位(時間)」放送されたのかを簡潔に掴むことができ、且つこのデータを利活用したいエンドサービスでの取り回しがし易いものになっています。
■エム・データの”TVメタデータ”はどのように作っているの?
※エム・データのTVメタデータ作成の現場。
エム・データでは東京、名古屋、大阪エリアで放送されたいる地上波キー局のテレビ番組とテレビCMを24時間365日、盆暮れ正月関係なくテレビが放送されている限り生成を続けています。
エム・データの設立自体は、2006年1月とまだまだ若い会社ですが、「TVメタデータ」は前身の株式会社プロジェクト時代からあり、歴史としては1998年から作り続けていて、今年で16年目に突入しています。この16年のノウハウが、一見簡単なようでいて、実は奥が深く難しい「TVメタデータ」の生成を可能にしています。
しかも、このテクノロジーが発達した時代にあって、我々は、まさかの「人力採録」をしています。常時40名前後、計100名の専門オペレーターが、TVを見続け、専用の入力システムを駆使して昼夜作業をしています。
前段で「放送内容の意図を的確に」と記載しましたが、テレビで登場する話題の多様性や表現の機微は、人間の頭脳で咀嚼し要約しなければ掴みとれないものです。テクノロジーはこのオペレーター達のアシストになり得ても人間の代わりにはなれないというのが、16年間「TVメタデータ」を作り続けてきた私たちのひとつの答えでもあります。
■簡単なようでいて実は奥が深い”TVメタデータ”
「TVメタデータ」の概要が少しは垣間見れましたでしょうか?
テレビの放送内容を文章化することは、単純で簡単なことのように思われますが、どの箇所やどの内容を、どのように簡便に且つ的確に要約するかが重要なポイントと私たちは考えています。この重要なファクターは、実は奥が深く、一朝一夕ではできないポイントですし、まだまだ進化と洗練をさせていこうと考えています。
さて、まだまだお伝えしたいことはありますが、今回はこの当りとしまして、
次回は、「”TVメタデータ”の中身ってどうなっているの・・・(内容編)」
と題して、もう少し具体的にデータの内容に踏み込んで、活用されている実例などを交えてお伝えしたいと思います。
ありがとうございました。
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著者:上田 雅司
株式会社エム・データ
執行役
データマネジメント部 シニアマネージャー