【TV Rank FinTech -03】増収銘柄率87.7%!TV-CMデータで増収増益銘柄を決算発表前にチェックする
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決算発表よりも前に、増収増益銘柄を事前チェックすることは可能か?
TV-CMデータを活用すれば、約90%の確率で増収銘柄をスクリーニングすることができる。
エム・データが提供する「TV Rank FinTech」なら、増収見込み銘柄のリストを決算発表前の任意のタイミングで入手することが可能だ。
TV-CMは企業が販管費を投下して、ビジネスの拡大を目的に行われるマーケティング活動である。TV-CMの実施規模、投下パターンを分析すれば、過去のデータ分析の結果から増収増益見込み銘柄の推測が可能になる。もちろんこれは過去のパターンから得られる増収増益銘柄の見込みリストであり、確実な結果を保証するものではない。だが、TV-CMは企業の経営判断の結果として実施されており、たとえばTV-CMの急成長銘柄を確認するだけでも、今期の業績を強気にドライブしようとしている銘柄の参考リストとして活用することができるはずだ。
それに過去のデータ分析結果から”勝ち筋”CMパターンの銘柄を絞り込み抽出すれば、増収増益見込み銘柄のリスト化もできる、というわけだ。
TV-CMそれ自体は単独で実施されることはなく、CMと並行してさまざまな企業活動が展開される。たとえばそれは新製品や新サービスの投入であり、販売促進キャンペーンの展開であり、ネットや店頭を活用したサポート施策やコラボ、イベントであり、販売店を巻き込んだインセンティブの拡大など、ありとあらゆる需要刺激策がTV-CMにあわせて集中的に一気呵成に展開される。TV-CMとは、企業のマーケティング集中のアイコン的活動でもあるのだ。TV-CMの規模と期間、展開パターンを分析するということは、その企業の需要刺激策の規模と期間とパターンを把握するということでもある。これを過去のデータ分析の結果と照らしあわせれば、その銘柄の増収増益の期待値や可能性もある程度推測できてしまうのだ。
エム・データでは、過去のデータ分析の結果からTV-CMデータに基づいた増収増益見込み銘柄のリストを提供している。

図1はエム・データのオンライン・サービス「TV Rank FinTech」で見た2025年5月11日週の「テレビCM指数」の急成長銘柄ランキングだ。これにより指定した週のTV-CM急増銘柄のリストを確認することができる。CM量の増加は増収見込み銘柄スクリーニングの重要な条件の一つだ。「TV Rank FinTech」では他にもさまざまな切り口で銘柄リストの提供を行なっており、今回の原稿のテーマである増収増益候補銘柄のリストも、過去のデータ分析から得られたTV-CMの必勝パターンに基づいて絞り込んだ銘柄リストとしてご提供をしている。最新の分析では、TV-CMの実施パターンが一定の条件を満たしたとき、その銘柄は約90%(87.7%)の確率で増収を達成することがわかっている。それが決算発表の前の段階でリストアップできてしまうのだ。
TV-CMの効果を見極める上で大切なポイントは以下の通りだ。
・TV-CM実施規模
・TV-CM実施期間
・TV-CM増加率(成長率)
TV-CMには認知度や好感度の獲得、購入意向の促進、販売支援、製品やサービスの利用促進などさまざまな効果があるが、その効果はどれも対数関数的にもたらされることが多い。
関数というと複利計算などに使われる指数関数が有名だが、指数関数が元本を成長させながら何回掛け合わせると最終的にいくらになるのかといった成長や複利計算などの現象をモデル化するのに向いているのに対して、対数関数は指数関数の逆で、たとえば認知度やマーケットシェアなどの上限である100%(定数)に到達するのに何回掛ければいいのかといった普及現象をモデル化するのに向いている。たとえば「15秒CM」を「何回」放映すると認知度や好感度、購入意向度、製品・サービスの利用度などの上限100%に到達するのかといったマーケティング・モデルの検証に有効なのである。
もう少し細かくいうと、個々のブランドや商品には認知度や好感度、購入意向度、製品・サービスの利用度などの「到達上限」があり、その上限に向けてTV-CMを投入していくということになる。なぜ到達上限があるのかと言えばそれはエリアや人口、時間、マインドといった有限資源に対する活動であり、かつそこには競合が存在しているからであり、競合の存在は短期的には解決できないパラメーターとして扱われる。もちろん、長期的にはこの到達上限そのものを引き上げていくという活動も有効になる。
つまり、TV-CMの効果は対数関数的にもたらされ、それは指数関数とは逆に初期投資の段階では効果が急速に立ち上がり、やがて現在の到達上限である飽和点を迎えてなだらかに収束していくことになる。TV-CMの効果は短期的には上限点に近づけば近づくほど得られる成果は徐々に低減していくのだ。これを踏まえた上で、飽和点の前後に量的ターゲットをおけば、TV-CMの効果効率を最大化することができる。これが、TV-CMを運用するマーケティング・プランナーの腕の見せ所でもある。
「TV Rank FinTech」では過去のTV-CMの効果からその銘柄の増益見込みが最大化するCMパターンを分析、そのスクリーニング条件に基づいて最大で増収見込み約90%(87.7%)の銘柄リストを抽出させていただいてる。決算期にとらわれず年間を通してTV-CM実施後毎週、毎月集計が行われるので、いつでもその時点でのベストエフォートでの増収増益見込み銘柄の先行指標が手に入るというわけだ。事前に好決算見込みが高い銘柄が把握できれば、投資先の評価や取引上の判断など、さまざまなビジネスシーンでご活用いただくことができるだろう。
「TV Rank FinTech」ではこの他にもセクター別の銘柄抽出や、銘柄ごとのTV-CM投下カテゴリーの分析などもできるので、セクター別の評価や銘柄ごとの事業性評価、ポートフォリオ分析にもお使いいただける。たとえば、個々のセクターでの期中の銘柄順位、シェアの変動などは重要な先行情報になるだろう。
TV-CMは今この瞬間も進行中のライブな企業活動である。過去のニュースには含まれない最新の企業活動が、生のTV-CMデータには含まれている。
エム・データの「TV Rank FinTech」は、この今現在の企業の最新動向をTV-CMの動きから可視化するユニークなデータサービスだ。法人でのご利用はもちろん、個人投資家の方にもご利用いただけるので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせいただきたい。
また「TV Rank FinTech」は個人や法人でのご利用に限らず、このデータをもとにした研究開発や新たなサービスの開発、またレベニューシェアによる販売代理店ビジネス機会のご提供など、さまざまな協業機会をご提案させていただければと考えているので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いである。
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著者:梅田仁 | Jin Umeda
ライフログ総合研究所(Life Log Lab.)所長
iPhone、iPod、iTunes、Mac、Apple TV、Apple Storeのシニア・マーケティング・プロデューサーとして、Apple(AAPL)を時価総額世界一のブランドに育て上げることに貢献。iTunesで取り扱う内外のエンターテインメント・コンテンツ、アーチストの需要トレンド、視聴者の嗜好パターン分析を通してプラットフォームメディアビジネスにも精通。2013年、ライフログ総合研究所を設立、TV Rank、Talent Rankサービスを展開中。著書:「売れない時代に売る新常識」出版文化社、2011