2025年の「全国的な路上狂騒の鎮静化」からどう変わる?2026年のハロウィーンの進化予想
2025年のハロウィーンは、かつて全国の街頭で見られた大混雑や狂騒が姿を消し、静かな節目を迎えました。
テレビの放送内容をテキスト化したTVメタデータ(※)1を分析すると、路上集客が全国的に抑え込まれた背景には、主要都市での厳戒態勢や当日の悪天候があり、人々の楽しみ方が「テーマパーク等の安全な施設」や「自宅・カフェでの限定体験」へ移行していた実態が分かります。
では、2025年のこの大きな変化を経て、今年(2026年)のハロウィーンはどのようになっていくのでしょうか? 昨年のデータと現在の情勢から、今年の潮流を予測・分析します。
※1「TVメタデータ」とは、TV番組やTV-CMの放送内容(実績)をテキスト化(データベース化)したデータです。「いつ」「どこで」「何が」「どのように」「何秒間」放送されたかを、オリジナルのシステムを使用しデータベース化しています。データの種類は主に「①番組データ(番組放送内容)」「②TV-CMデータ(広告出稿内容)」「③アイテムデータ(番組で紹介された商品情報)」「④スポットデータ(番組で紹介された店・宿・観光地等の情報)」「⑤各種マスタ・辞書データ」などで構成しています。
今回の記事では、「①番組データ(番組放送内容)」にある、テレビ番組で紹介された情報を元にしています。

昨年、街頭での混乱がピタッと落ち着いた背景には、東京だけでなく全国の主要都市で一斉に行われた徹底的な防衛策と、当日の悪天候という明確な要因がありました。
全国の主要都市で一斉に進んだ「路上・開放空間の封鎖」
ニュース番組での報道内容(日本テレビ『ZIP!』、NHK『列島ニュース』など)を振り返ると、トラブル防止策が全国都市部で一斉に連動していたことが分かります。
東京(渋谷・新宿)
渋谷区のハチ公像周辺封鎖や多言語啓発、LUUP停止に加え、新宿区でも歌舞伎町広場を全面封鎖し路上飲酒を禁止。
愛知県名古屋市(栄)
若者が集まりやすい複合施設「オアシス21」に柵を設置して敷地自体を封鎖し、館内に「蛍の光」を流して滞留を阻止。
福岡県福岡市(天神)
集客拠点となっていた「警固公園」を夜間封鎖し、周辺に数百人体制の警備と交通規制を実施。
当日の全国的な悪天候
2025年10月31日当日は発達した低気圧の影響で全国的にあいにくの雨となり、NHK『ニュース7』でも「雨ということもあり渋谷駅周辺では仮装している人はほとんど見られず落ち着いた様子」と報じられるなど、厳戒対策と悪天候が重なり全国的に路上の人出抑制に拍車がかかりました。

路上から姿を消した人々は、セキュリティが行き届いた大型施設や、手軽に立ち寄れるカフェ・店舗、そして自宅などので「屋内・安心空間」「プライベート空間」で楽しむことが注目されました。
① 【大型施設・テーマパーク】ルールがあるから全力で没入できる「安全な体験消費」
街頭での野外集会が制限された結果、安心して仮装やイベントを楽しめるテーマパークや公式会場で楽しむことがより注目されました。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)での熱狂
TBS『王様のブランチ』ではセサミストリートやポモンのイベント、新ホラーメイズ「ファクトリー・オブ・フィアー」や「18番地の魔女」でのKATEコラボメイク体験が紹介されました。
フジテレビ『呼び出し先生タナカSP』やEX『ミュージックステーション』、名物「ハロウィーン・ホラー・ナイト」の大人気キャラクター「ハミクマ」や、King Gnuのテーマソング「SOBAD」に合わせた「ゾンビ・デ・ダンス」の盛り上がりを長尺で放映。
KIng Gnuによる中継ライブの配信視聴者数が60万人を超えるなど(TBS『ひるおび』)、管理されたエンタメ空間での熱狂が際立ちました。
東京ディズニーリゾートでのこだわり本格仮装
日本テレビ『シューイチ』や『ZIP!』では、ディズニーランドの新パレード「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン”Into the Frenzy”」や、ディズニーシーで初開催された映画『リメンバー・ミー』の「ラソス・デ・ラ・ファミリア」を特集。
『ZIP!』の街録コーナーでは、シンデレラやティンカー・ベル、ラプンツェルなど「手作り衣装の制作時間ランキング」を放送。
制作期間40日・費用3万円をかけるなど、安心できる園内でこだわり抜いた本格仮装を楽しむ層の姿がクローズアップされました。
池袋フェスや地域の安全な代替イベント
街頭の代わりにコスプレイヤーが集まったのが「池袋ハロウィンコスプレフェス2025」(日本テレビ『DayDay.』、フジテレビ『めざましテレビ』)で、Kis-My-Ft2の宮田俊哉さんらの参加も話題に。
また日本テレビ『情報ライブミヤネ屋』やテレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』では、鳥取県が県庁職員の仮装業務や鳥取砂丘での「万博ロス」仮装パレード(ミャクミャク参加)を展開する「とっとりハロウィン聖地化プロジェクト」を詳しく報道。
フジテレビ『Live News イット!』では駒澤大学の「駒大防災ハロウィン」が取り上げられるなど、ルールのある会場や自治体主導の「安心なイベント」へシフトしていました。
② 【おうち・店舗・カフェ】見てカワイイ&味わう「身近な限定グルメ・空間消費」
「身近な店舗で限定品をテイクアウトして自宅で楽しむ」あるいは「カフェでゆったり映え写真を撮る」といような「プライベート空間やスタイルで楽しむ」がより定着しました。
見てカワイイ「モチーフ・キャラクタースイーツ」
日本テレビ『ZIP!』では、サーティワンアイスクリームの「おかしにゃチョコレートにゃんデー」、クリスピー・クリーム・ドーナツの「スイートポテトゴースト」、ジェラートピケカフェの「スイートゴーストクレープ」、モンシェールの「ハロウィンジャックロール」など、オバケや黒ねこをモチーフにした限定品を紹介。
TBS『王様のブランチ』では「ちいかわベーカリー」の黒猫パン(ちいかわ・ハチワレ・うさぎ)やEggs ‘n Thingsの「ハロウィンナイトパンケーキ」が紹介され、視覚的に楽しめるテイクアウトグルメが人気を博しました。
カフェでの「ヌン活(アフタヌーンティー)」消費
日本テレビ『ヒルナンデス!』では、HANDBAKESルミネ新宿店や春水堂の「秋限定アフタヌーンティー」が紹介され、 推し活や女子会としてゆったりカフェ空間を楽しむトレンドをレポート。
フジテレビ『めざましどようび』でもレストラン1899お茶の水のハロウィンアフタヌーンティーが取り上げられました。
おうち時間を彩る「DIYグッズ・小分け菓子&少人数レンタルスペース」
フジテレビ『めざましテレビ』では、3COINSのモンスターかぶりものやカルディの「ハロウィンお菓子アソート」、 フライングタイガーのライトやバルーンなど、自宅を飾り付けるアイテムが特集されました。
またNHK『ニュース7』では、大人数での街頭集会を避け「少人数で安全に楽しむためにレンタルスペースを予約する人々」の増加が報じられ、プライベート空間での質の高い集まりへと需要が移行していたことが示されました。

2025年のデータでは、「市場規模の縮小(前年比-7.0%)」「路上混雑や仮装の減少」「物価高による平均予算の上昇(7,192円)」 「少人数・身内で費用をかけないおうち消費」「SNS投稿の増加」という内容が見られました。このデータと、現在の情勢(物価高の継続、AI・AR技術の進化、タイパ志向)を掛け合わせると 2026年のハロウィーンで起こる変化 が見えてきます。
① 仮装は「着る」から「AI・ARで創る」へ:衣装代0円の「バーチャル仮装」の広がり
今年(2026年)の進化予測
高額な衣装を買って実際に着用するスタイルから、生成AIやAR(拡張現実)フィルターを活用し、自分の写真をSNS上で仮装させる「バーチャル仮装」を試す人が増えるのではないかと見込まれます。
【なぜそう予測されるのか(理由・分析)】
昨年のデータで「仮装・メイクをする」人が減った一方、「SNSへの投稿」は増加したことが示されています。物価高が続く現在、1回しか着ない高価な衣装を購入するのはコストパフォーマンスの面で敬遠されやすい傾向があります。一方で、AI画像生成やTikTok・InstagramのARフィルター精度が大幅に向上したため、「実際に着なくても、SNS上でクオリティの高い仮装姿を投稿できれば満足する」というタイパ(時間対効果)・コスパ重視の消費心理が高まる可能性があるためです。
② 大小ケーキの衰退と「ワンコイン・マイクロスイーツ」の需要増
今年(2026年)の進化予測
高価格帯のパーティケーキや大型セットの需要が落ち着く一方で、コンビニやスーパーで買える「1個500円以下の個別包装・マイクロスイーツ(ミニカボチャプリンや小分けパック)」の注目度が高まる展開が予想されます。
【なぜそう予測されるのか(理由・分析)】
昨年のデータでは、平均予算が増加した最大の理由が「物価高(21.3%)」であり、大人数パーティではなく「家族や親しい知人と費用をかけずに楽しむ」傾向がみられました。現在も食品値上げが続く中、消費者の節約志向は継続しています。大型ケーキ(3,000〜5,000円台)の購入ハードルが上がる中、製菓メーカーや流通側も「2〜3人の少人数世帯でも気軽に手を取りやすい、単価を抑えた小分け商品」へラインナップをシフトさせていく動きが強まると推測されます。
③ 夜の狂騒から「週末昼間のファミリー&地域コミュニティ行事」の定番化
今年(2026年)の進化予測
かつてのような「10月31日夜の大人の街頭お祭り」というイメージが薄れ、「10月最終週末の昼間に、ショッピングモールや地元の商店街で開催されるファミリー向けキッズイベント」へとハロウィーンの社会的役割がシフトしていく傾向が定番化していきそうです。
【なぜそう予測されるのか(理由・分析)】
昨年の全国主要都市での夜間路上規制の徹底や当日の悪天候により、夜間の街頭集客の難しさが浮き彫りとなりました。一方で、鳥取県の昼間パレードや駒澤大学の「防災ハロウィン」など、昼間の地域施策がメディアで高く評価されました。自治体や警察による路上飲酒禁止条例などが通年定着した現在、企業や商業施設側もリスクのある夜間集客を避け、「安全に集客できる週末昼間のファミリー層・子供向けイベント」に注力する動きが加速するのではないかと考えられます。
2025年のTVメタデータが示していたのは、狂騒的なハロウィーンの落ち着きでした。
その動向から、2026年のハロウィーンは
「AIを活用したデジタル仮装」
「少人数向けのワンコインスイーツ」
「昼間のファミリー&地域行事」
という、現在の情勢に合わせた「よりスマートで現実的な季節行事」として、新しい形にアップデートしていくのかもしれませんね!

おまけ情報として、テレビで紹介された、ハロウィーンにまつわる由来・歴史・日本のユニークな風習に関するトリビアです。
【ジャック・オー・ランタンは、元々「カブ」だった!】
ハロウィーンのアイコンであるランタンですが、昔はカボチャではなく「カブ」が使われていました。玄関などに飾ることで悪霊が怖がって逃げるとされています。(NHK『列島ニュース』)
【仮装をする理由は「魔女から身を守るため」】
起源は古代ケルト民族の祭り「サウィン」。11月1日の新年を前夜から祝い、先祖などの霊を供養するものでした。その後、中世ローマ・カトリック教会が10月31日を「オール・ハロウズ・イブ」と制定したことで「ハロウィーン」へ変化。悪霊や魔女から身を守るため、あるいは仲間に見せかけるために仮装するようになったと言われています。(日本テレビ『ZIP!』)
【日本で広まったきっかけは「キデイランド」と「東京ディズニーランド」】
1993年に東京・原宿の「キデイランド」がハロウィーン商品を販売し、その後「東京ディズニーランド」が日本初のハロウィーン。イベントを開催したことが、日本国内で広く定着する大きなきっかけとなりました。(日本テレビ『ZIP!』)
【欧米でハロウィーンといえば、実は「リンゴ」!】
日本ではカボチャのイメージが強いですが、本場・欧米のハロウィーンを代表する定番の食べ物といえば「リンゴ」が親しまれています。(日本テレビ『ウェル美とネス子。』)
【日本には「五島版ハロウィーン」という伝統風習が存在する】
長崎県五島市富江町には、中秋の名月の日に子どもたちが家々を訪ね歩き、供え物の「ふかし芋」やお菓子をもらう「いもはまんだかな」という独特の伝統風習があります。(NHK『列島ニュース』)
【秋の夜空に浮かぶ「ゴースト星雲」
ちょうど日本でハロウィーンを迎えるこの時期の夜空には、その名も「ゴースト星雲」と呼ばれる幻想的な星雲が観測されます。 (TBS『ひるおび』)
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著者:「エム・データ」広報PRチーム