【TV Rank】夏休み商戦は、いつから？
ライフログラボ（ライフログ総合研究所、略称”L3”）、所長の梅田です。
このブログでは毎回、ライフログラボの開発したクラウド型TVビッグデータサービス「TV Rank（テレビランク）」からの最新データをご紹介しています。ライフログラボの母体、エム・データは今この瞬間にも流れているTVの放送内容を過去10年以上も前から綿々と記録し続けている会社です。ライフログラボが開発したTV Rankは、この貴重なTVデータを多くの方に、お気軽に、簡単にご活用いただくためのツールです。
早速、最新のTV Rankを見てみましょう。
先週、2015年5月30日から6月5日までの一週間のTVCM企業ランキング（上図、関東地区）には、9位にユニバーサルスタジオジャパン（USJ）が入っています。USJのこの期間の関東地区でのCM総放送秒数は5,610秒、CM本数は229本、この期間に放送された全業種全CMに占めるUSJのCM放送シェアは1.16%でした。
皆さんもこのSMAPのメンバーがホグワーツ城の周りを飛び回る『ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー』のTVCMをご覧になったことがあるかと思います。2年目を迎えたUSJの目玉アトラクション“ハリーポッター”は、今回3D化されました。さらに迫力を増した臨場感あふれるアトラクションをSMAPのメンバーが映像世界の中に自ら入り込んで体験をするCMは、すでにこのアトラクションに訪れたこともあるリピーターも含め、3Dアトラクションに対する興味関心も煽るクリエイティブであるかと思います。
USJのTV Rank企業サマリー（上図）を見ると、このハリーポッターのCMはUSJとして約2ヶ月ぶりのTV出稿であることがわかります。これまでも様々な話題で人々の興味関心を引きつけてきたUSJですが、そのマーケティング目標の重要なポイントは“集客”です。1年を通してどれだけ多くのお客様にパークにご来園いただくが、USJのようなアミューズメント業界にとっては重要な課題であるわけです。そのため、様々なイベントやアトラクションのリニューアル、新設が行われるわけですが、施設にかける投資と来園集客効率を最適化するためには、いつそれを行うのかのタイミングの選定が非常に重要になってきます。
年末年始や春休み、ゴールデンウイーク、夏休みなどの休日、休暇は最大の集客シーズンですが、マーケティング的な課題は年間を通していつ、どのような施策を行えば年間集客が最大化していくのか、ということです。
USJのTVCM出稿ピークは、この上半期の最大集客期であるはずの年末年始、春休み、GWからは外れた所に置かれています。面白いですね。繁忙期を避け閑散期をテコ入れする、海外からの集客にも対応するなどの理由もあるかと思います。関東での放映ということから考えられるのは、関西への旅行を計画するタイミングに合わせている、という理由もありそうです。GWの期間に放映がないのはその理由かもしれません。
ハリーポッターの場合はアトラクションそのものの大幅リニューアルである3D化のグランドオープンが5月21日で、CMはグランドオープンのその日からオンエアされています。USJファン層やハリッポッターファン層は誰よりも早く体験したいでしょうし、会社や学校を休んででも来園してくれるかもしれません。誰よりも早くハリーポッターの3D体験をした人たちは、その興奮をソーシャルメディアを使って拡散してくれるかもしれません。最新のアトラクションの話題や体験レポートは、雑誌の記事やTV番組でも取り上げられるでしょう。それらのニュースやコンテンツに触れるたびに、私たちは香取くんやキムタクが興奮していたあのCMを想い出すかも知れません。
夏休みは最大の集客期です。できるだけ多くの方に今年の夏休みのメインの計画に据えていただく、それを実現するための最適な施策とタイミングが、この5月21日であったのかも知れません。皆さんは、今年の夏休みの計画は立てましたか？
TV Rankの分析機能を使うと、様々な企業や商品のマーケティング戦略を俯瞰的に捉えることが可能です。TV Rankを導入いただくことで、すべての企業、商品、タレントについて最新のTVデータがいつでもご利用いただけます。皆様のご関心やご興味、課題に、様々な形でお応えさせていただくことができるかと思いますので、このようなことが知りたい、これはどうなの、といったご質問も含め、どうぞお気軽に、エム・データまでお問い合わせください。
このブログでは、これからもTV Rankからの最新情報をお届けしてまいります。どうぞ、お楽しみに！
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著者：梅田仁 ｜ Jin Umeda
ライフログ総合研究所（Life Log Lab.）所長
iPhone、iPod、iTunes、Mac、Apple TV、Apple Storeのシニア・マーケティング・プロデューサーとして、Apple（AAPL）を時価総額世界一のブランドに育て上げることに貢献。iTunesで取り扱う内外のエンターテインメント・コンテンツ、アーチストの需要トレンド、視聴者の嗜好パターン分析を通してプラットフォームメディアビジネスにも精通。2013年、ライフログ総合研究所を設立、TV Rank、Talent Rankサービスを展開中。著書：「売れない時代に売る新常識」出版文化社、2011