【TV Alpha-03】TV AlphaのLayer構造 ― 社会Narrativeを分解する
<TV Alpha連載記事全5回の3回目/最初から読む>
TV Alphaは単一戦略ではない
TV Alphaは、単一のシグナルではありません。
TV Alphaは、異なる種類のAttentionを、異なるLayerで捉えています。
つまりTV Alphaは、
「どの種類のAttentionが、どの速度で市場へ浸透するか」
をLayer分解しているシステムなのです。(図1)

Layer構造
現在のTV Alphaでは、主に以下のLayerが存在しています。
L1_Core。
L2_Booster。
L3_Ignite Elite。
L5_Business Ignite。
これらは単なる強弱ではありません。
それぞれが、異なるAttention Sourceを表しています。
L1_Core ― Narrative Core Attention
L1_Coreは、TV Alphaの中心的Layerです。
AI、政策、インフラ、防衛。
こうした社会Narrative型のAttentionを多く含んでいます。
特徴的なのは、リターンの伸び方です。
短期で瞬間的に反応するというより、時間をかけて市場へ浸透していく。L1_Coreのライフサイクル分析ではその収益は想定期間を遥かに超えるケースも見られました。
今回の分析の結果、L1_Coreは+294%近い累積リターンを示しています。
しかもSharpeは4.5超。
これは単なるイベントトレードではなく、“Narrative Propagation”を捉えている可能性を示しています。
L3_Ignite Elite ― 高品質初動型
一方、L3_Ignite Eliteはかなり性格が異なります。
こちらは、イベント初動型です。
高速、高精度。
勝率は76%、Sharpeは7.5超。
しかもDrawdownも浅い。
これは「Attention Shock直後の市場反応」を高精度で捉えている可能性があります。
つまりL1がNarrative型だとすれば、L3はEvent型。
TV Alphaは、この両方を同時に扱っているのです。
L2_Booster ― 再加速型Attention
L2_Boosterはさらに面白いLayerです。
これは、すでにAttentionが発生した後、さらに市場内で再加速するタイプのAttentionを捉えています。
Momentumに近い部分もありますが、純粋な価格Momentumとは異なります。
CM比率が高いことも特徴です。
つまり、
「認知が再加速したタイミング」
を捉えている可能性があります。
L5_Business ― 消費Attention Layer
5_Businessは、最も異質なLayerでした。
Scene Ratioは98%以上。
つまり、ほぼ完全に番組文脈側。
ブランド、生活者反応、個別ニュース。
こうした“消費Attention”を中心に構成されています。
たしかに、金融的には弱く見える部分もあります。
しかし、相関分析では、他Layerとの高相関は観測されませんでした。
これは非常に重要です。
L5は「ノイズ」ではなく、“別種類のAttention”なのかもしれません。
ここがTV Alphaの面白さです。
TV Alphaは社会Narrative構造を見ている
今回のLayer分析によって、TV Alphaは単なるTV露出ランキングではなく、“社会NarrativeのLayer構造”を観測している可能性が見えてきました。
市場は単一の情報で動いているわけではありません。
社会の異なるAttentionが、異なる速度で市場へ浸透している。
TV Alphaは、そのPropagation構造を観測しているのです
つづく
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著者:梅田仁 | Jin Umeda
ライフログ総合研究所(Life Log Lab.)所長
iPhone、iPod、iTunes、Mac、Apple TV、Apple Storeのシニア・マーケティング・プロデューサーとして、Apple(AAPL)を時価総額世界一のブランドに育て上げることに貢献。iTunesで取り扱う内外のエンターテインメント・コンテンツ、アーチストの需要トレンド、視聴者の嗜好パターン分析を通してプラットフォームメディアビジネスにも精通。2013年、ライフログ総合研究所を設立、TV Rank、Talent Rankサービスを展開中。著書:「売れない時代に売る新常識」出版文化社、2011